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大貫 敏彦; 相場 幸敏*; 坂本 文徳; 香西 直文; 新里 忠史; 佐々木 祥人
Scientific Reports (Internet), 6, p.29866_1 - 29866_6, 2016/07
被引用回数:10 パーセンタイル:31.09(Multidisciplinary Sciences)放射性Csの汚染原木からキノコへの移行経路を、線スペクトロスコピー、オートラジオグラフィー及びX線マイクロCTにより調べた結果、原木からキノコに直接移行する経路が存在することを明らかにした。
田中 忠夫; 向井 雅之; 中山 真一
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
再処理施設等から発生するTRU廃棄物のうち、アルファ核種濃度が低い廃棄物の相当量は浅地中処分が対象となる。TRU核種は浅地中環境で種々の化学形態をとるばかりではなく、土壌や岩石との相互作用も複数のメカニズムが関与しているとされている。このようなTRU核種の移行現象は、固液間相互作用として従来から用いられている単一の分配係数を用いるモデルでは十分に説明できない。本研究では、種々の土壌を対象としてネプツニウムの移行挙動をカラム実験で調べ、さらにカラム内移行メカニズム及び収着メカニズムを検討した。実験結果に基づき、移行現象を説明するための現象解析モデルを提案し、その適用性を検証した。
印 貞治*; 島 茂樹*; 中山 智治*; 石川 洋一*; 外川 織彦; 小林 卓也; 川村 英之
月刊海洋, 37(9), p.674 - 680, 2005/09
本報告は、日本海洋科学振興財団,京都大学及び原研が協力して実施している下北沖海域における現況解析・海況予測システムの構築について解説するものである。この事業の中で、原研は同財団からの受託研究として、気候値を使用した海水循環モデル及び海水中放射性核種移行モデルの整備、並びにモデルの検証と改良のための沈降粒子特性データの取得実験を担当している。本解説では、解析・予報システムの概要と整備の進捗状況を述べるとともに、システムを使用した予備計算結果を示した。予備計算の結果、データ同化モデルにより西部北太平洋における解析・予報結果が改善されることが理解され、また下北沖海域特有の沿岸モード(冬季)と渦モード(夏季)がほぼ再現されることがわかった。
田中 忠夫; 坂本 義昭; 向井 雅之; 前田 敏克; 中山 真一
Radiochimica Acta, 92(9-11), p.725 - 729, 2004/12
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Chemistry, Inorganic & Nuclear)国際腐植物質学会から提供されているNordicフミン酸及びフルボ酸を030mg/l共存させた条件下で、粉砕した花崗岩及び凝灰岩を充てんしたカラム中におけるNiの移行実験を実施した。いずれのケースでもカラムを透過するNiの量は、腐植物質濃度が高くなるに従って増加した。カラムを透過するNiの割合は注入液中で腐植物質錯体を形成しているNiの割合に対応しており、カラムに注入した腐植物質錯体がそのまま流出したことを示唆する結果を得た。カラムを透過するNiの移行は、水溶液中におけるNiと腐植物質の錯形成と解離の速度を考慮した移行モデルを適用することによって説明できた。
田中 忠夫; 坂本 義昭; 澤田 博司; 小川 弘道
JAERI-Conf 2003-010, p.134 - 141, 2003/09
地層中における放射性核種の収着性及び移動性に及ぼす可溶性天然有機物の影響について研究した。本研究では、国際腐植物質学会から提供されているNordicフミン酸を共存させた条件下で、粉砕した花崗岩中におけるNp(V)及びAm(III)の移行実験を実施した。Npの場合、カラムからの破過曲線におけるNp濃度の経時変化及びカラム内を透過するNpの移行速度は、フミン酸の共存による影響を受けなかった。一方、Amの破過傾向は共存するフミン酸濃度によって影響を受けることがわかった。カラムシステムを透過するAmの移行は、フミン酸とAmの錯生成反応の非平衡状態を考慮した移行モデルを適用することによって説明できた。
小林 卓也; 外川 織彦
海洋データ同化セミナー2003, p.59 - 64, 2003/08
本報告では、環境における汚染物質移行挙動を包括的に予測するために原研で開発を進めている計算コードシステムSPEEDI-MP(Multi-model Package)に導入された数値環境モデルのうち、海水循環モデルと海洋中物質移行モデルによる汚染物質の海洋での移流・拡散を予測する機能の概要を紹介する。次いで、開発した予測モデルの機能確認のため、原子力潜水艦が日本海に沈没したと仮想した場合に原潜から漏洩する放射性核種の移流・拡散を推定した適用例を説明する。最後に、予測モデル及びコードシステムの改良,高度化及び適用に関する今後の予定について述べる。
田中 忠夫; 向井 雅之; 前田 敏克; 松本 潤子; 小川 弘道; 宗像 雅広; 木村 英雄; 馬場 恒孝; 藤根 幸雄
原子力eye, 49(2), p.76 - 79, 2003/02
原研が中国輻射防護研究院との共同研究プロジェクトとして実施した、アルファ核種を用いた野外核種移行試験の概要を紹介した。中国で実施した3年間にわたる野外核種移行試験からアルファ核種などの放射性核種に対して実地下環境での移行データを取得した。その結果、天然の地層の持つ大きな移行抑止効果を世界で初めて定量的に示すことができた。また、計算結果と野外試験結果の比較によって、原研で開発した浅地中処分安全評価コードGSA-GCLの天然バリアモデルの妥当性を検証できた。
松永 武; 長尾 誠也*
水環境学会誌, 25(4), p.193 - 197, 2002/04
チェルノブイリ原子力発電所の事故による水系へのインパクトの明確化と、淡水中での放射性核種の挙動研究という2つの観点から、チェルノブイリ事故による水環境の放射能汚染の状況とその成り立ちについて概説した。事故後の短期・長期における河川・湖沼の汚染の状況を述べ、環境への放射性核種の放出と関係づけた。現在、137Csと特に90Srがチェルノブイリ発電所近傍の河川・湖沼の汚染の主要核種になっていることを核種の放出形態と元素特性から述べた。事故後に取られた水系汚染対策にも説明を与えた。原研が行った現地での研究成果の1つとして、汚染形成に関する核燃料微細粒子の役割、ならびに、河川におけるアクチノイドの移行への溶存有機物の関与を示した。この水系汚染に関する広域的・経時的な研究はチェルノブイル事故固有の汚染形成問題を越えて、放射性核種の水系環境中の振る舞いについての一般的な理解と、さらに、食物連鎖までを含めた「生態圏移行モデル」の検証・改良にもつながっていることを指摘した。
小川 弘道; 長尾 誠也; 山口 徹治; 向井 雅之; 宗像 雅広; 坂本 義昭; 中山 真一; 武田 聖司; 木村 英雄; 熊田 政弘; et al.
JAERI-Research 2000-052, 101 Pages, 2001/01
カナダ原子力公社はURLと名付けられた地下研究施設を運営する世界でも有数の原子力研究機関である。日本原子力研究所は、我が国の高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価手法確立に寄与するために平成6年3月から平成10年9月までの期間にわたり、上記の施設での研究を中心にカナダ原子力公社と協力研究を実施した。本協力研究協定では、(1)URLにおける原位置条件下での亀裂媒体における核種移行実験、(2)URL及び浅地中の地下水を対象にした地下水中の溶存有機物の影響評価研究、(3)環境同位体による広域な地下水流動の研究、(4)地下水の流れ及び核種移行のモデル化に関する研究も平行して進めた。本報告書は、4年半にわたる協力研究協定の成果概要をとりまとめたものである。
朽山 修*; 高須 亜紀*; 池田 孝夫*; 木村 英雄; 佐藤 正知*; 長崎 晋也*; 中山 真一; 新堀 雄一*; 古屋 廣高*; 三頭 聰明*; et al.
原子力バックエンド研究, 5(1), p.3 - 19, 1998/08
放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、現在用いられている核種移行モデルは主として、固体物質による遅延効果を収着分配係数Kを用いて評価している。しかしながら、収着はその機構が未だ十分解明されていない現象であるため、移行モデルKを用いるにあたっては、いくつかの注意が必要となる。この問題は、収着が固体と水の界面あるいはその近傍で起こる不均一系の反応であることと、核種の移行媒体である地質媒体の物理的性質や化学的性質が一様でないことに起因している。本論文はKを用いて記述できる収着現象の範囲について考え、さらに原位置での核種移行の評価に対するKによる記述の妥当性と適用性について考察した。
本間 俊充
プラズマ・核融合学会誌, 74(7), p.707 - 715, 1998/07
核融合炉から放出される放射化生成物の放射線安全に関する課題には、保守点検作業に伴う従事者の被曝、放射性廃棄物の処理、再利用の他に、通常運転時及び事故時の環境放出による公衆の被曝がある。トリチウムだけでなく放射化生成物の放出に伴う敷地外の一般公衆に対する被曝線量評価は、炉設計あるいは炉構造材の選定などに関連して既に欧米で実施されているが、今後はITERのような実験炉の許認可において必要となってくる。放射化生成物の放出に伴う公衆の被曝線量評価は、これまでの核分裂関連施設(原子炉、再処理施設、廃棄物処分施設等)の安全評価で用いている評価手法が基本的に適用可能である。ここでは、被曝評価の考え方、放射化生成物に係わる被曝経路とその評価手法、データベース及び線量評価コードについて、その現状と今後の課題をまとめた。
田中 忠夫; 小川 弘道
JAERI-Conf 99-004, p.654 - 661, 1998/03
海岸砂及び赤色土を対象としてAm(III)の移行挙動をカラム実験で調べるとともに、土壌に吸着したAmの吸着移行メカニズムを抽出法により検討した。カラムに注入したAmのほとんどは注入端に吸着された。しかし海岸砂カラムからの流出液中にはAmが流出初期から検出され、水とほぼ同じ速度で間隙中を移行するコロイド状化学種の存在が認められた。この移行挙動は、陽イオン性及びコロイド状Amに異なる2つの分配係数を与える吸着移行モデルで評価できることを示した。また、赤色土に対するAmの吸着は可逆的であり分配係数で評価できるが、海岸砂では非可逆的に結合している割合が高く、分配係数から予想されるより大きな遅延を受けることが考えられる。
内田 滋夫*; 保田 浩志*; 馬原 保典*; 佐々木 則行*; 高橋 知之; 木村 英雄; 松鶴 秀夫
JAERI-Review 95-009, 64 Pages, 1995/06
放射性廃棄物の処分に関する安全評価において、固相と液相の間における物質の分配を示す平衡論的係数である分配係数が用いられてる。この分配係数の測定法と利用法の調査研究を通して、標準的方法論を提言することを目的に、日本原子力研究所に設けられた「環境放射能研究委員会、環境放射能挙動専門部会」の安全評価用パラメータ検討ワーキンググループにおいて、環境中における放射性核種の移行、安全評価における分配係数の利用、分配係数測定方法の現状と問題点、分配係数の測定例等の検討を行っている。本報告書は、平成6年度の調査研究の成果を上記委員会、専門部会において審議した後、「分配係数の測定法及び利用法」として取りまとめたものである。
田中 忠夫; 向井 雅之; 妹尾 宗明
放射性廃棄物研究, 1(2), p.169 - 176, 1995/05
地質媒体中における放射性核種の吸着・移行挙動に及ぼす腐植物質の影響を明らかにするため、フミン酸を共存する条件下において、海岸砂を対象としたSrのバッチ法吸着実験及びカラム法移行実験を実施した。フミン酸を共存する液相中においては、砂への吸着親和性が小さなSr-フミン酸結合体が形成された。しかしながら、その結合力はSrと調整砂との吸着親和性に比較して著しく小さいため、バッチ法吸着実験で測定したSrの分配係数はフミン酸共存の影響を受けなかった。一方、カラム法移行実験ではフミン酸結合体の解離過程が平衡に達しないので、一部のフミン酸結合体が深部へ移行することにより、Srの移行の増大がみられた。フミン酸共存下におけるSrの移行挙動は、フミン酸結合体の解離速度を考慮した移行モデルを用いて評価できることが示された。
松鶴 秀夫
クロスオーバー研究シンポジウム,汚染物質の環境挙動予測に関する局地規模詳細モデルならびにその移行パラメータ, 0, p.125 - 133, 1995/00
原子力施設に係る環境影響評価手法に用いられている大気モデル、水系モデル、地層モデルおよび生態圏モデルは、国の安全審査のレベルでは既に確立されている。しかし、原子力基礎技術総合的研究(クロスオーバー研究)においても取り上げられているように、上記移行モデルの詳細化に向けて広範な研究が展開されている。ここでは、移行モデルの詳細化に関する技術的論点として、モデルを詳細化することの意義、モデルとパラメータ、詳細モデルの妥当性検証など取り上げ、原研における研究成果に基づいて論述する。
武部 愼一; 向井 雅之; 古宮 友和; 神山 秀雄
JAERI-M 93-034, 15 Pages, 1993/02
未攪乱状態の通気層土壌試料を用いて、Co,Sr及びCsで汚染した土壌から脱離した放射性核種の大型カラム試験において、前報に続いて低吸着領域における核種移行挙動について、地下水流下をトリチウムの破過開始直後までにとどめることにより調べ、土壌中の核種濃度分布及び流出液濃度分布の時間変化の結果を総合して解析を行った。その結果、この程度の流量では、Sr及びCsは深部への移行は認められず、Coについてのみ低吸着領域の移行が認められ、その濃度分布にはピークが見出された。この低吸着領域におけるCoの移行挙動について、吸着及び脱着反応速度定数を考慮した非定常の取扱において、最大吸着容量を導入したモデルを用いることにより、核種の流出液中濃度及び土壌中分布を統一的に説明することができた。解析結果から、染層層におけるCoの移行し易い化学形の初期割合は、0.1%程度と推定された。
武部 愼一; 向井 雅之; 古宮 友和; 神山 秀雄
JAERI-M 92-205, 19 Pages, 1993/01
未攪乱状態で採取した4種類の土壌試料を用いて、Co,Sr及びCsで汚染した土壌から脱離した放射性核種の大型カラムによる移行試験を行った。Coについては、カラム上部の高濃度吸着部分の下部に広い範囲にわたり平担な低濃度吸着領域が見出され、また、流出液中にも低濃度検出され、特徴的な濃度の時間変化が観測された。通気層土壌中の低吸着領域におけるCoの移行挙動について、非陽イオン性化学種の吸着及び脱離反応速度を考慮した核種移行モデルによる解析を試み、これらの試験結果をかなりよく説明することができた。
村上 隆; 木村 英雄
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.294, p.535 - 542, 1993/00
オーストラリア、クンガラウラン鉱床周辺のウランの分布は鉱物学的研究により、母岩の変質に強く影響されていることがわかってきた。本研究では母岩の変質を考慮したウラン移行モデルによりウラン分布の定量化を試みた。ウランの分配係数と岩石の空隙率の時間変化を母岩の変質の関数としてモデルに入れた。計算はウラン濃度観測値に計算値が合うよう有限要素法で行った。最適計算値が、地下水速度0.9m/y、初期ウラン濃度0.5ppmで得られた。これらの値は現在の地下水流、地下水中ウラン濃度に近い。変質を考慮しない計算からはそのような合理的値では最適計算値は出てこなかった。又、計算値と観測値の差も大きかった。これらの結果は地質学的時間にわたるウラン移行の予測には岩石の変質を考慮したモデルが必要なことを示している。
外川 織彦
保健物理, 26, p.225 - 232, 1991/00
国際共同研究BIOMOVSで提案されたテストシナリオに参加することによって、湖の生態系における水銀の移行・蓄積を推定する評価モデルの性能を検証した。淡水魚中の水銀濃度を予測するために2種類のモデルを開発した。1つは平衡状態の系に適用される濃縮係数を使用した方法であり、他は水中濃度の変化と魚における代謝を考慮したダイナミックモデルである。このシナリオに関しては系における水銀濃度が平衡状態に達していなかったので、第1のモデルによる予測は十分でなかったが第2のモデルはより正確な予測をした。ここで使用された2つのモデルについて適用限界が示唆された。
熊田 政弘; 木村 英雄; 下岡 謙司; 中越 章雄*; 村岡 進; 柳田 剛*; 雨宮 清*; 犬竹 章郎*; 中村 治人; 荒木 邦夫
JAERI-M 86-044, 87 Pages, 1986/03
昭和58年度から花崗岩岩体中に原位置試験室を開設し、これまでの試験技術をもとに原位置での実験手法や評価手法を確立する為に岩盤加熱試験、元素移行試験及び材料耐久性私権を行ったので、その結果を報告する。岩盤加熱試験の結果、健岩部での実測温度は計算温度と良く一致する事、また亀裂部では地下水による熱の移動が無視できない事が分かった。ヒ-タ-近傍の亀裂部分では岩盤の歪み 及び透水性の変化が認められた。元素移行試験の結果、亀裂中での元素移行が支配的である事、及び岩体中での拡散も移行要因として重要である事が分かった.材料耐久試験では、10種の鋼種について熱処理した試料を用いて約75Cで応力腐食割れ試験を行ったが、12ケ月経た時点で2,3のVノッチ試験片に応力腐食割れ感受性が認められた。